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〔続 スイス悠々〕(20)世界遺産の葡萄畑を散策

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桟橋正面のレストラン野外席に[ラヴォー 葡萄段々畑]の大横断幕。振り返って桟橋と観光船を撮影(左)。国旗が掲げられている小さな集落の上り道を進み(中)、跨線橋に出たらVINGOBLE EN TERRASSES (右)

 レマン湖湖観光船(前号)を終着のローザンヌでなく、キュリーCullyで下船した理由は、世界文化遺産の葡萄畑の中を歩き、丘陵地の中腹にあるグランヴォーGrandvaux駅をめざし、至近のワイナリーで休憩し、テラス席で景観を堪能した後、近郊電車でローザンヌに移動するためでした。 
 
スイス政府観光局にある「ラヴォー地区の葡萄畑 Lavaux, Vineyard Terraces」の解説文を抜粋します。「ローザンヌからモントルー郊外まで、レマン湖の上にのびる丘陵にぶどう畑が続く美しい風景で有名なラヴォー地区。きらめくレマン湖と雄大なアルプスを眼前にテラスのように連なるぶどう畑とグランヴォー、キュリーなど、葡萄農家が暮らす小さな村が織り成す景観の美しさだけではなく、ワインづくりの長い伝統と歴史を評価され、2007年に文化遺産として登録。」
 キュリーの小さな桟橋で降りたのは数人でした。とは言え、桟橋の正面には大きな横断幕があるテラス席があり、飲食している人たちを目に留めたのです。下船したのが13:18で昼食時だったこともありましょうが、想定外の賑わいでした。横断幕の大きな文字LAVAUXがラヴォーとは何とか読めましたが、下のVIGNOBLE EN TERRASSESは現地では不明でした。執筆時に調べたら“葡萄畑・段々畑”、つまり、スイス政府観光局にある英語表記Vineyard Terracesと理解し得た次第でした。浅学の身です。
 初めての地を歩く際には、
komootRouteplannerでの検索は必須です。かつ、Google地図も活かして土地勘を養って臨みます。

品種は?:葡萄畑を上がる(左)。振り返り撮影:レマン湖の対岸・南はフランス(中)、アスファルトの路が途中で盲端になり、葡萄畑の中を、幼少時の体験を思い出しつつの彷徨的な散策(右)

 桟橋正面のテラスでの飲食の様子を横目に集落内へと歩きます。なお、日差しを遮るテントが並ぶ飲食席はホテル アウ・メジャー・ダニエル Au Major Davelのレストランでした。私事、HPを調べ、写真やメニューを眺めるのも執筆時の一興です。
 スイス国旗が掲揚されている集落内の雰囲気にも心惹かれつつ、鉄道線路と分かる壁面に出ました。地図で確認していた通り、側方に跨線橋の階段を目に留め、上がります。跨線橋の上で、葡萄畑が段々畑状(テラス状)に伸びやかに広がる様を見て、高揚感を覚えました。
 跨線橋を降りると、コンクリート舗装された農作業用の上り道があり、素直に歩み始めました。葡萄畑地帯には縦横に作業用の小路があることが想定されたので、小生は少し先を歩き、二人の女性を導きました。しばらく安心して歩いた後、何と、行き止まり・・・。

作業用と思える歩道(左)。懲りた彼女らの願いで車道へ(中)、景観に心を寄せつつ、猛暑に耐えて、目的のワイナリーへ歩きます(右)

 ハテ困った。私事、幼少時、夏休み等で、母の実家がある大社(現 出雲市)に1週間程度居ることが定着していました。周囲は砂地であり、葡萄畑の中でかくれんぼなどをした記憶がよみがえりました。最中には人影は見えず、やがては路に出ます。この感覚が蘇り、葡萄畑の中を歩く羽目になったのです。
 深さのある用水路をまたぐこともあり、農作業用の小路は延びていましたが、女性の希望で、止むを得ずアスファルト舗装の車道に出ました。

 目的地の感覚は抱いていたので、農作業用の土路を彷徨いつつ歩くのを勧めましたが拒否された次第でした。アスファルト舗装の車道は暑く、小生は大丈夫でしたが女性はへばり調で、、困惑した次第。当然ですが、事前に気温のシミュレーションは不能です。2019年7月下旬は、西欧も猛暑で、ラヴォー地区も30℃以上になっていたはずで、かつ、アスファルト舗装の車道で、木陰はありません。

電車が速度を落とし停止。目的地は間近(左)。目的の駅(中上)と至近のワイナリー(中下)。心地良いテラス席に座り、オーナー夫人に勧められた上質のワインを二種類堪能(右)

 車道をカラフルな観光用の列車が下ってきました。勿論、乗れません。反対方向でもあり・・・。「ワイナリーは何処? あとどれだけ?」と問われても、「あと少し・・・」としか答えようがありません。
 車道がS字となる地に大きな樹があり、二人は飲水を兼ねた休息としました。この間、「確認して来る」と、小生は急ぎ足で移動。幸い、約200m先に、道路に面した敷地内でビニールプールを活かして憩う家族を目に留め、尋ねることが出来ました。

 執筆時にkomootで確認したら、女性が休憩した地の約700m先が目的のワイナリーです。あくまでも結果論ですが、車道を選択したことで、歩行距離が長くなり、かつ、アスファルト舗装の照り返しを受けて気温が上がり、体力を消耗したことになります。
 間もなく、列車の走行を目に留め、かつ、速度を落とし、停車したのを見て、「目的の駅だよ~!」と勇気づけの発声をしました。かつ、最終のカーブを歩き終えたら、ほぼ水平方向西側に目的のワイナリーと確信した建物を認めました。再び「先に行って確認するから、ゆっくり歩いておいで」と声掛けをし、歩を早めました。到着後、外部の狭い石段を降りて、テラス席に至る入り口を見出した後、少し引き返し、彼女らに両上肢を挙げて 〇 のサインをし、待ちました。

達成感を得たDomaine Croix Duplex テラスからの眺望:南・観光船に乗って来た方向。レマン湖の左奥はモントルー方面(左)。テラスの直下・湖岸はキュリーの集落:レマン湖の対岸はフランス(右)

 ワイナリーDomaine Croix Duplex ドメーヌ・クロワ・デュプレのテラス席でのひと時は最上でした。
 正しく“労は報われる”の通りで、葡萄の蔓・葉による日陰と葡萄畑から上がる心地良い風も体感。伸びやかな景観を眺めつつ、ノドを潤し、お腹を満たした2時間弱は自由旅行を満喫するひと時でした。
 ドメーヌ・クロワ・デュプレは、1923年創業でスイスのトップワイナリーとの評価もあるようです。

 途中、日本人ツアーが立ち寄り、屋内に入り、間もなくテラスに出て来ました。テラス席で飲食しているわれわれ3人に目を留めつつも会話する時間はなく、立ち去り、バスが湖畔へと降りて行くのを視認しました。ツアーの目玉企画としてのラヴォー地区でのワインの試飲だったのでしょう。日本のツアー特有の分刻みのスケジュールです。なお、レマン湖クルーズ体験をする日本の旅行会社の企画は見たことがありません。
 レマン湖の対岸はフランスですが、地理的な関係で、ラヴォー地区で良質の葡萄が得られます。即ち、北側斜面であるため日照の利があり、レマン湖の照り返しと、斜面を支える石垣の輻射熱も関与することで、ラヴォー地区の葡萄は、“三つの太陽”により上質に育つとの理解です。
 昭和天皇・皇后が当地を訪れた際に、ワインなどを味わい、かつ、「天皇陛下の葡萄園」の碑があると、帰国後に知りました。ラヴォー地区は七つに区分され、各々にブドウ品種などの特徴がある由。数日かけて、各地区のワイナリーを訪ね、白、ロゼなどを飲み比べは、ン、下戸の小生には難題です。
 前半のレマン湖クルーズ然り、世界遺産の葡萄畑の散策と憩いのひと時は、アナタにもお勧めです。

ワイナリーを発つ際に記念写真を撮り(左上)、小路を歩いたら即ホーム(左下)。ホームから葡萄畑、キュリーの集落とレマン湖を俯瞰(左中)。ローザンヌに向かう近郊電車が入線(右中)。ボタンを押してドアを開け(右上)、山陰線・因美線車両と異なる上質な車内空間(右下)の体験は各々生涯研修!

 キュリーで下船したのが13:18。ドメーヌ・クロワ・デュプレに着いたのが14:17。つまり、炎天下での散策は、途中のおへばり休息を含めて、1時間弱(地図参照)。ワイナリーを発つ際に撮ったのが15:54で、グランヴォーのホームには15:59に立ちました。
 ローザンヌ行のホームが山側なのか湖なのか、駅の構造・ホーム間の横断に係る情報を得ることが出来なかったので、結果的には早目にワイナリーを発ったことになります。ホームはワイナリーの敷地から約70mの至近地でした。つまり、駅舎を介さず、歩道からホームに上がる石段があり、上がった湖側のホームがローザンヌ行だったのです。(Google地図やkomootでは、車道を歩き、線路の下をくぐり北側に出て駅に着く、いわば四角形の3辺を歩くコースがヒットしていました。)
 おかげで、のんびりと葡萄畑、キュリーの集落、レマン湖の風景を追体験しつつ、反対方向に向かう列車を眺めるなど、安堵しつつ
のひと時になりました。

Ⓐ はキュリーの桟橋。①スイス国旗のある小路。×行止りで、彷徨。車道に出たら、観光車両と遭遇。★休息地。②ワイナリードメーヌ・クロワ・デュプレに親しんだ後、至近のⒷ グランヴォー駅

 なお、日本は英国に習って、“車は左”で鉄道の複線区間も道路と同様に行き交います。

 オーストリア、スイスは“車は右”で、鉄道も同様かと思えますが、実際にはまちまちです。当地でも近郊電車は日本と同様の左側走行だったのです。ホームの電光表示を確認する作業は必須です。小さな駅の電光表示板は、一枚・一面に両方向の列車のダイヤとホームが示され、これを確認するのも研修。

 ローザンヌ方面への近郊電車はダイヤ通り16:16の入線でした。
 ローザンヌは4駅目、所要12分。到着後、地下鉄で北へ上り、旧市街を散策しました。が、天気予報通り、暗雲がレマン湖対岸から押し寄せ、降雨に見舞われる懸念が生じました。

 旧市街の散策は短縮し、食堂車が編成されている列車を選び、スイス滞在中最後となる夕の飲食は、またもや列車内で済ませました。
 翌、2019年7月27日に現地を発ち、羽田経由での帰鳥でしたが、それから1年、まさか、COVID-19 pandemic 禍で、スイス、ウィーンへの生涯研修が途絶えることになろうとは・・・。そして、2021年7月のスイス、西欧も不能。2022年はどうでしょうか・・・。 

 

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 2022年・・・ 2/24~ 狂信独裁者による侵略戦争が勃発し、シベリア飛行が不能になり、航空便が減り、かつ、新コロ禍は日本の対応が遅延し・・・ : 結果 2022/7 St.Moritz 連泊の催行も中止!

 2023年7月 : 15日間有効のトラベルパスで、グリンデルワルトの定宿に7泊した後、サン・モリッツに移動し、Reine Victoria に6連泊!シベリア飛行が無縁の、Emirates を利用し、関空~ドバイチューリヒ:往路は関空(金)発深夜便、復路は現地(土)発の運航がないため、(金)にチューリヒを発ち、(土)夕に関空着!何らかの事情で、帰国が遅延することも是として、三宮で宿泊し、(日)夕に帰鳥!とシミュレーションは花◎ ~ ハテ、どうなりますやら・・・ 2022/5/26 記
 

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