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2Eiger

スイス鉄道紀行(2)アイガーグレッチャー

ファルボーデン湖畔:スノーシェルターに入るJBの赤い車両。アイガー氷河の下流、秋色の丘陵地の向こう側に同駅がある。

JBアイガーグレッチャー駅で初めて下車:車両間に下ろされて驚いた。登りはアイガーの岩盤トンネルに入る青信号。線路間を歩き移動する間に、下り列車が出発した。

氷河の退縮により、荒涼とした人気のない環境で、駅を見上げて撮影:起点駅ではユングフラウヨッホへ行く観光客でごった返し、立ち席・所要5分のアイガーグレッチャー駅行の人は少なかった。看板は[EIGER-GLETSCHER][BOARDING](右下)

山容・氷河を眺めつつ、谷を少し下ると、辺り一面に高山植物が咲き誇っていた。

アイガーグレッチャー駅はアイガー北壁の西に接している(左)。メンヒの北側裾野に流れるアイガー氷河(右上)。スノーシェルターに入っていくJB車両とユングフラウ(中下)。丘に上がり、JB基点のクライネ・シャイデックとファルボーデン湖畔のJB車両(右下)

(2)

(2)アイガーグレッチャー

 若い頃、還暦など想定外だった。いや、前勤務地の鳥取県立中央病院で忙しくしていた時代に、「還暦になったら二人乗りのスポーツカーを買って乗ろう」とか、「夫婦で88歳になったら、フルムーンでグリーン車に乗り・・・」などを思い出した。何れも実現していない。
 古希が近い年齢になっても、“初めて”には心が動くし、そうした機会を求めて挑戦できていること自体が感謝に値する。スイストラベルパスを活用した自由企画旅行がそれに該当する。安全確認を図り、天候を見ながら、鉄道などで各地を巡り、歩くこと・歩けることが出来ている事実は、ありがたい限りです。
 表題のアイガーグレッチャーEigergletscher は、名称通りアイガーから流れ出る氷河の名称で、365日運行しているユングフラウ鉄道Jungfraubahn(JB)の駅名でもある。
 2017年10月5日は、JBの麓駅であるクライネ・シャイデックからファルボーデン湖畔まで初めて歩いた。アイガー、メンヒ、ユングフラウとシルバーホルンなどが湖畔周囲を歩く位置により、随分と景観が異なる表情で魅せてくれる。人工池で主に冬のスキーシーズン早期の人工雪・雪原造りに活用されるファルボーデン湖は、風がないと湖面に逆さアイガーなどが各々見て撮れるのも嬉しい。夏に再訪の夢が適って、2018年に実現した。
 アイガーグレッチャー界隈の散策を初体験するに際しては、「The best route planner for cycling and hiking」を謳うkomootなどで高低差、距離等の概要を把握して臨んだ。
 氷河の退縮に伴い岩石が主体の荒涼とした風景、少し下って高山植物が咲き乱れる一帯との差異に、心を時めかせた。アイガー、メンヒと氷河の雄大な光景と、一方、足元の可愛らしい多種多様な高山植物にも目を留めつつのひと時は、鉄道ファンであるがゆえに、行き交うJB車両を含め、初恋感情に類する撮影体験でもあった。
 嗚呼、アナタと共有体験をしたい・・・。

喜寿の頃は、果たして・・・

どうしていましょうか・・・

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