スイス悠々
ライン川源流行の渓谷(↓)にテラス状に突き出した地に集落があるTschamut-Selva
Tschamut-Selvaが見えた地で、同時的に後方を撮影。
“前方ライン”源流(↓)と、山裾の傾斜地に雪囲いが設けられた線路を走行
Tschamut-Selva駅に到着(a)。待避線を越えて乗り降りする人たち(b)。
停車中に後方を撮影(c)。駅を発った(d)
車窓から渓谷のVorderrhein前ライン・滝が見え、撮れて嬉しかった。
アンデルマット始発の各駅停車は終着Disentisディゼンティスに到着:駅名Disentis/Mustérはロマンシュ語で修道院を意味するMustérとの併記
(7)ライン川源流地域:前方ライン
ライン川と言えば、多くの方がローレライ、クルーズを連想されましょう。私事、2005年にリューデスハイムからローレライまでのクルーズを初体験し、船上から両岸を行き交うICEなどの列車も撮りました。
ライン川の上流が南西ドイツからスイス界隈とは承知していましたが、詳細には関心がないままでした。
スイスをトラベルパスで自由旅行するようになって、ライン川の源流を知ることになりました。
本「スイス鉄道紀行」で、前回、アンデルマットから山上湖であるオーバーアルプ湖(標高2026m)に至る列車の車窓をご紹介しました。
同湖の至近にあるOberalppassオーバーアルプ峠(2044m)から南へ、徒歩で約2時間半の山岳地にTomaseeトーマ湖(2345m)があり、この湖が源流であるとも知りました。機会を見出して、訪れるべくkomoot(www.komoot.de/)等で情報収集をしているところです。
スイス政府観光局は「オーバーアルプ峠の近くにあるトーマ湖はライン川の源流で、数本の小川が、前ライン(フォーダーライン)と後ラインという2つのライン川の源流を形成」と紹介しています。
Vorderrhein前ラインと称せられるライン川の源流がオーバーアルプ峠から東方向へ下り、乗車して来たRegio各駅停車の路線に沿う形で終着駅Disentis/Mustér(同1130m)まで並走します。この間だけで1200m余を下ります。
勿論、その後もスイスのグランドキャニオンと称せられる渓谷を流れ、同地方の古都Churクール(593m)界隈から北に転じ、オーストリア、ドイツと国境を成すBodenseeボーデン湖(393m)を経由して、西方に流れ、勇壮かつ船の航行を遮断するRheinfallラインの滝を経て、Baselバーゼル(260m)で北方に転じ、スイスを離れ、ドイツ、フランス国境を流れ、やがてローレライへ・・・。
本題です。山の傾斜面に設けられている鉄道の維持は、トンネル、雪囲いで守られ、通年運行をしています。
山の傾斜面にテラス上に張り出した不思議な形状の地に、小さな集落がり、その上方に設けられたTschamut-Selva駅での待避線を跨いでの昇降の様子、周囲の景色に心が和みました。調べると同駅から集落まで高低差約30m、前ラインの川面まで約110mの高低差です。
車窓からは渓谷を並走する前ラインの川面を見ることは出来ませんが、幸い、蛇行する際、滝で落ちる光景を目にして、撮ることが出来ました。
車窓右側に谷合と周囲の山などを眺めつつ、峠からディゼンティスまで、のんびりとした約45分の車窓は秀逸でした。オーバーアルプ峠を発つ際は、反対列車の遅れで約5分の遅延でしたが、終着ディゼンティスにはほぼ定刻の到着でした。この間、ディゼンティス到着時にアンデルマットに向けて発った(13:37)氷河急行を含め、2本の氷河急行と3本の各駅停車、計5本の列車との行き交いも楽しく嬉しいシーンでした。
喜寿の頃は、果たして・・・
どうしていましょうか・・・